2000年入職 田宮病院 精神療養病棟所属介護福祉士 解良 洋平
私は新卒で入りました。入るときは単純に「身体を動かす仕事がしたいな」というだけで、最初は仕事も全然わからなくて。学校が体育系だったんです。バスケをしていて、チームは東北大会まで進みました。もっとも私はガードの控えの控えくらいのでしたが(笑)。先輩がたまたまここで精神科のレクリエーション活動をしていると聞いて、それでちょっと受けさせてもらって。
資格も無かったのでトレーナーという形で入職して、総務・事務も経験させてもらいました。介護の資格を取ってからは介護福祉士として入浴介助など患者さんの日常生活の支援を行うとともに、患者さんがスムーズに退院後の生活に入れるよう、その道筋を考えています。
患者さんのなかには寝たきりに近い方もいれば、病院の中では自立しているけれど、社会では上手く暮らしていく自信がないという方もいらっしゃいます。それでも、「退院できる」という思いを常に忘れないように接していきたいですね。そして地域にスムーズに戻れるよう、サポートが上手くできれば。
地域移行支援制度というものがあって、地域の方々に定期的に病院を訪れて患者さんを見ていただく機会があるんです。「あ、こういう方たちが入院しているんだね」「こういう方だったら暮らせていけそう」。地域の方々にもひとまず偏見や思い込みを取り除いてもらって、患者さんの地域での暮らし、地域で過ごす時間を増やしていければと思っています。
実は私のような「病院の介護福祉士」というのは珍しい存在になりつつあります。介護福祉士は介護施設に入職するのが一般的で、「病院の介護福祉士の仕事は大したことない」なんて話も耳にしたこともありました。けれど病院に来る患者さんは、なにかしら疾患を抱えた方たちで、施設で暮らしていくためにも支援が必要な方たちです。だからこそ患者さんと日常的にコミュニケーションをとりつつ、施設で暮らすための「もと」をここで作らなくてはなりません。
そのために必要な知識やスキルを得るために日々努力していますし、「病院の介護福祉士」であることにプライドを持っています。